9月27日はわたしの誕生日。
今年の誕生日は大阪からバスタ新宿へと向かう夜行バスの中で迎えました。仮眠から目を覚まして、
1回目のサービスエリアに着く頃には0時を迎えていたっけ。
その日は8時頃に自宅に到着。タイ・大阪と1週間に及んだ旅行の疲れからか、体調を崩して
1日中寝ていたら誕生日が終わってました。
話が180℃変わりますが、皆さんは付き合っていたパートナーから貰った、一緒に買ったものってどうしていますか?わたしは手放します。売るなり捨てるなりして。なかったことにしたいというわけではないけれど、1つの区切りとして手放したくなる。
キーケース。おそろいで買ったガチャガチャグッズ。ブレスレット。カバン……
昔のパートナーを思い出させるもので今も手放してないものは2つだけ。そのうちの1つが、去年の誕生日にもらった財布です。
ワイルドスワンズ「PARM〈シェルコードバンモデル〉」
ワイルドスワンズの「PARM」という型の財布。写真は2017年9月27日に開封したてのものです。ツヤッツヤです。
ワイルドスワンズは「10年使える堅牢な革小物」を作り続けている革工房。近年の革財布はコンパクトさ、スマートさを重視して革を漉いて薄く薄く加工しているものが多いなか、ワイルドスワンズはその思想の真逆をいきます。
革そのものの厚みを活かした豪快で武骨な種類の財布が数多くラインナップ。革好きにはたまらないブランドです。
ワイルドスワンズのラインナップのなかでPARMは「ミニ財布」にカテゴライズされています。
札入れ、コインポケットが一箇所、カードポケットが三箇所というコンパクトな機能面とコロンとした面持ち。小さくて、強い。それでいてかわいさも感じさせるニクいやつ。
この財布だけは手放すことができませんでした(もう1つは追々ね)。付き合っていた彼女や、去年の誕生日が特別だったからというわけではありません。理由は簡単で、とにかく純粋にこの財布がほしくてほしくてたまらなかったというのと、使ってみてこれ以上の財布はもうないと感じただけ。
この財布との出会いがいつだったかは詳しく覚えてませんが、ネットで見かけた瞬間に「これだ」と思ったのはしっかりと記憶しています。ネットで見ただけでしたが、自分にとって理想の要件を満たしていた財布でした。購入から3ヶ月くらい前だったかな…。
わたしが財布に求める要件は
- 革の質感が好み
- コンパクト
- 機能性
の3点。それにならってエンダースキーマや所作の財布などを使い、その他にも様々な種類の財布を検討してきた自分が、たどり着いたのがこの財布だったというわけです。
経年変化がダイレクトに感じられて、なおかつコンパクト。こんな財布は見たことありません。
「そんなに欲しかったなら、すぐ買えばいいじゃん」という話ですが、このサイズ感の財布にしては結構な値段がしたため、即決はできなかったというのが正直なところです。
悩んで悩んで、毎日ブランドの公式インスタグラムのアカウントや経年変化を綴る記事を読む日々。ある日付き合っていた彼女にみせると「じゃあ誕生日プレゼントに買ってあげるよ」と言われ、忍耐の日々がはじまったのでした。そうしてようやく迎えられたのが、この財布です。
1歳の誕生日。まだまだ丈夫さは健在
購入当時の厚みが半端ない。新書二冊分くらいありました。
去年の誕生日に迎えいれた財布。9月27日にわたしと一緒に歳を重ね、1歳を迎えました。経年変化を見ていきましょう。
コードバン特有の妖艶なギラツキは息を潜め、いぶし銀のような鈍い輝きを放つように。最高級のコードバンレザーをこのサイズで楽しめる財布は唯一無二の存在感があります。
裏地のサドルプルアップレザーは重厚な質感を感じさせます。美しい。365日経った今でも、頬に革を擦り寄せたくなる美しいルックスです。
ワイルドスワンズのプロダクトのポイントである滑らかなコバはなぜか赤ばんでしまっている箇所が。これはこれでいい。
革はだいぶ柔らかくなった印象ですが、まだまだ力強さは健在。まだ自立できるくらいに堅いです。普段はカバンに入れて持ち歩いているので、そこまで荷重がかかる場面がないんですよね。
……と思いきや、ものをすべて出すとそこそこ薄くなりました。どんどんコンパクトになっていく「薄くなっていく変化」こそがPARMの経年変化の楽しさの醍醐味だと勝手に思っています。
コードバンレザーをあえて「雑」に扱うという楽しみ
ご覧の通り、結構ブクが発生していたり、小キズが目立ったりで察しのいい方は「コイツ、結構雑に扱っているな」と思われていると思います。そのとおりで、雨の日も気にせず使っています。もちろん濡れないように気は張ります。
コードバンレザーはもともと繊細な革で傷が付きやすく、水にも弱いです。水を吸い込みやすいく、結果写真のような気泡のような突起(ブク)が発生しやすい。
キレイな状態を維持したいのであれば、あえて最初にコードバンレザーのモデルを選ぶ必要はないかもしれません。そのなかであえてコードバンレザーを選びました。
傷はつきやすくても、壊れるわけではない。その丈夫さを信頼して、あえて普通の財布と変わらないように扱う。そのような状況でついた傷は、自分が生きてきた証になるんじゃないか。なんて思ったり。
365日使って改めて思った、PARMのいいところ
そのルックスは当然のこととして、もう1点買ってよかったな、というところが収納ポケットのデザインです。無骨な革の仕上げに惚れたのはもちろんのことですが、機能面から見ても完璧だなと思ったのははじめてでした。一見してこの財布をどのように使うかのイメージができたんですよね。先ほどあげた財布に求める要件の「機能性」を自分なりに分解すると、こうなります。
- 小銭入れがある
- お札を折らずに収納できる
- 外側にカードスリーブがある(会計が最もスムーズ)
小銭入れを外側に配置する二つ折り財布は数あれど、ここにカードスリーブを置く財布はなかなか見かけることがありません。PARMはそれをやってのけています。
同じようなデザインでよりコンパクトな、TOUNG(タング)というモデルがありますが、こちらは札入れがありません。名刺入れを財布として使う中でお札を折りたたんで収納するのはいろいろと不便に感じたのもあって、こちらにしました。
わたしはカード支払いが不可のお店ではない限り、基本会計はカードで済ませます。カードで会計をすませる人にとってはこの位置にスリーブがあるのが理想ではないでしょうか。外側のスリーブにクレジットカードを入れることで、会計の際、財布を開く手間すら必要とせず、財布を取り出せばほとんどの所作は終了します。なんて楽ちんな。
「いやいや財布と別にカード入れとか持てばいいんじゃない?」という話かもしれませんがそういうわけではありません。わたしがこだわっているのは「財布一つでどこまで効率化できるか」という点。
もともと持ち物をできるだけ少なくしたい自分にとって、会計を効率的に済ますためにモノを増やすのは本末転倒以外のなにものでもありません。
支払いに関するものは財布に一元化するのを前提で。その上でデザイン・機能ともに完璧だったのが、この財布だったのでした。
2歳の誕生日は、誰といるだろう
今年の誕生日はまぁなにもなく終わりましたが、来年は誰とどのように過ごすでしょうか。パートナーがいたら、PARMのブライドルレザーモデルをせがんでみようかな。
革財布の楽しみの1つである、手入れは通算で2回だけ。クリーナーと艶出しのクリームを塗りました。
ワイルドスワンズの直営店でエイジングケアをしてくれるみたいなので、連れて行ってあげようかな。この財布を見つけられてほんとうに良かった。
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